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おみな
おみな
「作品 第六巻第十二号」1935(昭和10)年12月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,437 字 · 11 页
それが媚薬の言い訳なのか! さては又むごい別れの勇気もない臆病な心の言い訳なのか! こうも仰有る。
よし分った! 一々貴殿の言う通り私は丹波の神官だ、臆病者だ、助平だ。然し一言言わしてくれ! そのセンチメンタルな情景は、今のさっきふと気紛れに思いついたまでの話で、小説の種にとんだ苦労をしなかったら、そんなことをクヨクヨと誰が二六時中考えてなぞいるものか! とさ。
女に惚れる、別れる、ふられる、苦しむ、嘆く、そんなことは実はどうでもいいことなんだ。
惚れるも易い、別れるも易い、また悲しむも易かろう。けれど、女に惚れ、女に別れたあとで、さて、何事を改めてやりだせというのだ? 友よ、何を改めてやりだしたらいい? 言ってみろ! 畜生! 俺がそれを知っていたら、誰がくそ一々放埓に結びつけて、こんなセンチメンタルな悲哀なんぞを感じるかというのだ!