轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
からすのうたうたい
からすの唄うたい
小川 未明
「時事新報」1925(大正14)年5月7日~19日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,709 字 · 12 页
おじいさんは、あちらの町、こちらの町と、チャルメラを吹きながら歩きましたが、田舎にいるときのように、子供らがなつかしそうに寄ってはきませんでした。都の子供たちは、もっとほかに珍しいものがたくさんにあるからです。
しかし、からすが唄をうたうことは、みんなに珍しがられました。おじいさんは、おかげで、あめも相当に売れて宿賃にも困らずにすみましたが、都会は、田舎とちがって空気のよくないことや、のんきに暮らされないので、いろいろそんなことが原因となって、おじいさんは、病気になってしまいました。おじいさんは、金を持っていませんから、医者にかかるのにも、また薬を買って飲むのにも、すぐ困ってしまいました。
「どうしたら、いいだろう。」と、おじいさんは、青い顔をして、みすぼらしい宿屋で考え込んでいました。
宿屋の主人が、おじいさんに向かって、
「おじいさん、唄をうたうからすというようなものは、めったにあるものでありません。きっとこれを売ったら、いい金になります。あなたは、その金で療治をなさったらいかがですか。幸い、私は、からすを好きな金持ちを知っていますから話をしてあげてもよろしい。