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こどもふどき

こども風土記・母の手毬歌

柳田 国男

柳田国男『こども風土記・母の手毬歌』。同一底本的分册已合并为一书。收入:こども風土記、母の手毬歌。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 142,761 字 · 278 页

青空文庫

ネンガラの鉤

それが滋賀県にも、香川県にも、またシカシカなんぼの最も盛んな福岡県にもあるのは、あるいはまたこの言葉の珍しく、かつ大人くさいのに興味をひかれたのが、はじめだったかもしれぬ。指の数を当てさせて、はずれたとき、ちがうという代りに正しい数をいい、「三本何本」と畳みかけて問う風は九州にもあるが、大分県の方には最初から、

レイボン、何本

という妙な問いかたがあって、それを零本のことだと解しているらしい。滋賀県の犬上郡でも、

レイボン、鹿の角何本

鹿の足何本

などという聞きかたがあるという話だが、このレイボンなどが、或いはなんらかの手掛りではあるまいか。私はなお他の地方の変った事実に、これからも気をつけていたいと思っている。

ネンガラの鉤

念木・念棒の問題についても、二十何通の通信を私は受取っている。遊びの方式はどこの土地もほぼ一様で、ただ細かな規則に少しずつの差異がある。名称は隣どうしの村々でもちがっていて、しかも不思議に遠い地方との一致が認められる。あまり数が多いので私も全部は列記しなかったが、やはり一ばん多いのはネンで、その中でもネンガラ・ネンガリなどがひろく行なわれている。