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こどもふどき

こども風土記・母の手毬歌

柳田 国男

柳田国男『こども風土記・母の手毬歌』。同一底本的分册已合并为一书。收入:こども風土記、母の手毬歌。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 142,761 字 · 278 页

青空文庫

七、古代瓦と今瓦

ふつうの農家ではとてもそのまねはできない。だから今日でもまだまったくなくなってはいないというだけで、萱野はもう一つのおごりになりかけている。それを以前のままになお持ちつづけてこられたのは、一つは改革のそうたやすくないためと、今ひとつは我邦に発達した、ユイという団結のおかげであった。

七、古代瓦と今瓦

日本の畠作農業の進歩、ことに稲いがいの穀物の栽培は、二百年このかた、ひじょうにさかんになってきている。萱の生産地のせばまり、または遠くなったことも、けっして近年にはいってはじまったことでない。ただそれが屋根の三角の角度を、こんなに扁たくしたのは新らしいことで、手みじかにいうと、瓦がわたしたちの手にはいりやすくなった結果なのである。

瓦をもって屋根を葺く習わしは古いが、もとはその利用者がかぎられていた。寺を瓦葺きといった言葉が伊勢神宮にもあって、宮殿や神のお社でさえも、さいしょは瓦をつかってはいなかった。それがおいおいと広く行われるようになってからも、ふつうの人民には許さなかった地方は多く、たとえ許されても、人はそういう目に立つことはしなかった。それが明治の維新を境いにして、だれが瓦で屋根を葺いても、すこしもかまわぬことになったのである。