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こどもふどき

こども風土記・母の手毬歌

柳田 国男

柳田国男『こども風土記・母の手毬歌』。同一底本的分册已合并为一书。收入:こども風土記、母の手毬歌。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 142,761 字 · 278 页

青空文庫

六、しょんがい婆々

古いころの文芸のなかには、こういう形のものがまだ色々あった。連歌というものなどは殊にこれとよく似ている。あるいはこの手毬歌なども、さいしょはもっと長く、もっと連歌というものに近かったのではないかと思うが、母とわたしの覚えていたものでは、この歌はもうこれで切り上げてしまって、そのあとにまるで縁のない、つぎのような歌がつづいているのであった。

そのあァめに降りこめらァれて

お茶もいやいや煙草もいやいや

しょんがいなァ、しょんがいな

しょんがい婆ァばさん

こォとし九ゥ十九でくゥまァのへ

よォめりしょとおォしやる……

六、しょんがい婆々

このしょんがい婆さんというあたりから、手毬の手はきゅうに早くなり、歌の調子もまるで変ってくるので、もとは明らかにべつべつのものだった歌を、二つつなぎ合わせたということがわかる。そうして後の方の歌は、ずっとおどけていて、子どもでも歌いながら笑うところであった。ションガイナは今のみなさんの「しょうが無いな」と同じ意味の言葉で、もう今から三百年もまえの流行唄の囃しの文句であった。宮城県などでは、伊達政宗にはじまったという「さんさしぐれか」