轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
さかずきのりんね
さかずきの輪廻
小川 未明
「婦人公論 9巻1号」1924(大正13)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,603 字 · 21 页
そして、いつも、昔と変わらない催しをするのでした。
おりも、おり、例の孫は、この日この街を通りかかりました。そして、華やかな、祭りの光景を見て、自分の家も祖父までは、この東京に住んでいたのだなと思いました。
御輿の通る前後に、いろいろな飾り物が通りました。そのうちに、この土地の若い芸妓連に引かれて、山車が通りました。山車の上には、顔を真っ赤にしたおじいさんが、独り他の人物の間に立って、この街の中を見下ろしていました。
彼は、この山車の上の、顔を赤くした、人のよさそうなおじいさんを見ているうちに、自分のお祖父さんのことなどを思いました。自分は、そのお祖父さんの顔を知らなかったけれど、たいへんに酒の好きな人で、いつも赤い顔をしていたということを聞いていました。また趣味の深かった人でもありました。利助のさかずきは、そのお祖父さんの愛用したものだと思い出すにつけて、彼は、なんとなくお祖父さんをかぎりなくなつかしく思いました。
「きっと、お祖父さんも、あの山車の上に立っているようなおじいさんであったろう。」と、彼は思いながら、街を過ぎる山車をながめていました。