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それから

それから

夏目 漱石

代助醒来时,脑海里悬着一块木板,随脚步声消失。他总在半夜按着胸口数心跳,思考这跳动的生命到底意味着什么。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 172,794 字 · 347 页

青空文庫

代助にはこの光のない土の板が、いくらでも水を吸い込む様に思われた。玄関前に、この間引越のときに解いた菰包の藁屑がまだ零れていた。座敷へ通ると、平岡は机の前へ坐って、長い手紙を書き掛けている所であった。三千代は次の部屋で箪笥の環をかたかた鳴らしていた。傍に大きな行李が開けてあって、中から奇麗な長襦袢の袖が半分出かかっていた。

平岡が、失敬だがちょっと待ってくれと云った間に、代助は行李と長襦袢と、時々行李の中へ落ちる繊い手とを見ていた。襖は明けたまま閉て切る様子もなかった。が三千代の顔は陰になって見えなかった。

やがて、平岡は筆を机の上へ抛げ付ける様にして、座を直した。何だか込み入った事を懸命に書いていたと見えて、耳を赤くしていた。眼も赤くしていた。

「どうだい。この間は色々難有う。その後一寸礼に行こうと思って、まだ行かない」

平岡の言葉は言訳と云わんより寧ろ挑戦の調子を帯びている様に聞こえた。襯衣も股引も着けずにすぐ胡坐をかいた。襟を正しく合せないので、胸毛が少し出ている。

「まだ落ち付かないだろう」と代助が聞いた。

「落ち付くどころか、この分じゃ生涯落ち付きそうもない」