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だまされたむすめとちょうのはなし
だまされた娘とちょうの話
小川 未明
「小学六年生 4巻2号」1951(昭和26)年5月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 4,555 字 · 9 页
さすがに、人のいうことを、まっすぐにしか解しなかったお竹も、底意地のわるい、奥さまのいい方がわかって、もうなにもいうことができませんでした。しかし、そこを立ち去りがけに、自分の顔は、そんなにみにくいのであるかと、つい鏡の方を見向かずにいられませんでした。
あわれなかの女には、まだ台所でたくさん仕事が待っていました。それをかかえると、かの女は、外の井戸端へいきました。田舎にいたときのことなど思い出しながら、せわしそうに、ポンプで水を汲み上げ、たらいの中で手を動かしたのです。
そこへ、隣の奥さんが、バケツを下げてきました。お竹は、あわてて、たらいを片すみへ押しのけようとしました。
「ああ。いいんですよ、そうしておいてください。私は、水を一杯いただけば、いいんですから。あなたは、よくご精がでますわ。」と、その奥さまは、じょさいがなかったのでした。
自分の心に、まじりけがなかったから、こうやさしくいわれると、お竹は、この奥さんのほうが、うちの奥さまより、よっぽど、いい人のように思いました。そして、すぐ、打ちとける気になったのです。
「前のお女中さんは、たいへんきれいな方だって、そうですか。