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もずとすぎのき

もずとすぎの木

小川 未明

「台湾日日新報」1937(昭和12)年4月16日

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 2,167 字 · 5 页

青空文庫

いまごろどんなに驚いていることだろう。まだ、私が、ねらっていると思うだろうから、私は、そんなことを忘れてしまったと知らせるために、唄をうたってやりましょう。」

若い、元気なもずは、すぎの木の頂で、風に吹かれながら、青空に向かって、高い、そして鋭い声で、おもしろそうな唄をうたったのであります。その声は、遠くまでひびいたのでした。

「ごらんなさい。いままで、方々にきこえていた小鳥たちの声が、あなたの声をきくとぴったりと止まって、静かになったじゃありませんか、みんなあなたを怖れているのです。」と、すぎの木は、いいました。

このとき、木の下の方で、人の声がしました。もずが見ると、かきの木があって、赤い実がたくさんなっていました。そのそばに、一軒のわら家があって、六つばかりの女の子が、

「あの鳥は、なんという鳥なの?」といって、おじいさんに、きいていました。おじいさんは、眼鏡をかけて、日の当たる縁側でご本を見ていられましたが、

「あれは、もずという小鳥だよ。あの鳥は、秋になると、飛んできて、高い木に止まって鳴くのだよ。」と、おっしゃいました。

女の子は、じっと木の頂を見ていましたが、