轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
わがせいしんのしゅうい
わが精神の周囲
「群像 第四巻第一〇号」1949(昭和24)年10月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,670 字 · 32 页
神経系統の病気は男女関係に原因するという人もあるが、真に発病の原因となるのは、男女関係の破綻が睡眠不足をもたらすからで、グウグウねむっている限りは、失恋しようと、神経にひびく筈はない。
神経衰弱になってからは、むやみに妄想が起って、どうすることも出来ない。妄想さえ起らなければよいのであるから、なんでもよいから、解決のできる課題に没入すれば良いと思った。私は第一に数学を選んでやってみたが、師匠がなくては、本だけ読んでも、手の施しようがない。簡単に師匠について出来るのは語学であるから、フランス語、ラテン語、サンスクリット等々、大いに手広くやりだした。要は興味の問題であり、興味の持続が病的に衰えているから、一つの対象のみに没入するということがムリである。飽いたら、別の語学をやる、というように、一日中、あれをやり、この辞書をひき、こっちの文法に没頭し、眠くなるまで、この戦争を持続する方法を用いるのである。この方法を用いて、私はついに病気を征服することに成功した。
その後は今日に至るまで、かほど顕著な病状を自覚したことはない。それは私が職業上の制約をうけておらず、時に東京へ一年半、時に取手へ一年、又、小田原へ一年というグアイに、放浪生活を送ったのも、自らは意識せずに対症療法を行っており、無自覚のうちに、巧みに発病