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アンドロギュノスのちすじ
アンドロギュノスの裔
渡辺 温
渡辺温『アンドロギュノスの裔』。同一底本的分册已合并为一书。收入:アンドロギュノスの裔、可哀相な姉、或る母の話、父を失う話、花嫁の訂正、イワンとイワンの兄、恋、勝敗、少女、シルクハット、嘘、象牙の牌、兵隊の死、ああ華族様だよ と私は嘘を吐くのであった、遺書に就て、赤い煙突、風船美人、四月馬鹿、十年後の映画界、浪漫趣味者として。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 129,168 字 · 267 页
尤も、僕のところのカメラは甚だそうした高等技術には不適当なやつで、高密式の百写しと云う機械です。何故と云って、僕の考えでは最も効果的に活動写真の本質をしめすのは、なるべく上等でないカメラに限るようです。……おや、もうお帰りですか? まだ早いですのに……
本を暗誦して居ると色々役に立つのであります。
余等が其の頃相談るのは、氷雪の様に白い肌膚が処女の様にナメラカな仙人の棲んでいる藐姑射山の風物とか、夜になると壺の中へ飛び込んでしまう老仙人の習性とか、歩き方を忘れて這って帰った男の話とか、魯の酒より楚の酒の方が美味い事とか、お天陽様を睨んでも眩しがらなかった玉戎の話とか、盗※が孔子を怒鳴る件とか、野蛮人が斧を川に落した話とか、辟陽がうらやましい話とか、つまりマルクス・ボーイのラッパズボンやエンゲルス・ガールの赤旗事件などとは全く関係の無い事であった、のであります。
で、芥川龍之介の澄江堂とか、室生犀星の魚眠洞とかに対抗(?)して、余も何かスバラしいのを考えたのですが、どうも気の利いたのは全部昔の奴が使ってしまった後なので、今更もう発見し得ないのか、と散々考えて居た所、東京は京橋、中橋広小路、千疋屋の隣の自動車屋の向いにある骨董屋の屋号が何と「壺中居」