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エマヌエル・カント『しぜんてつがくげんり』かいせつ

エマヌエル・カント『自然哲学原理』解説

戸坂 潤

「カント著作集 第一一巻」岩波書店、1929(昭和4)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 36,570 字 · 72 页

青空文庫

この書物がこのようにして明らかな批判的特色を有つにも拘らずこの書物の計画は前批判期の久しい前から之を発見することが出来る。この萌芽を宿す前批判期の自然科学的・乃至・自然哲学的な多くの著述の内でも、特に『活力の真の計算に就いての考察』(一七四六年)、『物理的単子論』(一七五六年)及び『運動と静止との新説』(一七五八年)の三者は、その問題から見てもその取り扱いの精神から見ても、殆んどこの著作の断片的前身でなければならない。そればかりではなくカントはランベルトへの手紙(一七六五年)に於て次の意味のことを語っている。「私の仕事は主として形而上学の特有な方法を、又それを介して全哲学の夫を目的としている。次の復活祭までにはその仕事が出来上るであろうと云った私の言葉を聴いて、カンテル氏は本屋らしくもこの書物の名を(多少は違っていたが)すでにライプチッヒ書籍市場の目録に載せている。併し私は初めの企てからは今では非常に離れているのでしばらくこの仕事は延期しようと思う。その代り、私は一二のもっと小さい完成品をまず書くことにした。それならば材料がすでに揃っているのである。