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ソヴェトぶんだんのげんじょう
ソヴェト文壇の現状
宮本 百合子
「綜合プロレタリア芸術講座 第一巻」内外社、1931(昭和6)年5月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,896 字 · 58 页
(2) ――えせマルクシストの清掃――
それまで、「同伴者」に属していた若手の作家の或るものは、「赤い木」の事件によって、はじめて自分のいた陣営の正体を知り、「ラップ」に加盟した。
(2) ――えせマルクシストの清掃――
全露農民作家協会というのがある。
これは、ソヴェトの現実に於て、まだ都会のプロレタリアートの状態と農村の状態とは、あらゆる点で違うという客観的情勢の上にたって存在してきた農民作家の団体だ。一九二五年の党のテーゼは、こう云っている。
「農民作家は友情的待遇で迎えられ、我々から無条件の支持を受けなければならない。我々の任務は、彼等成長しつつある一団を、プロレタリア・イデオロギーの軌道に導き入れることにある。但しこの際決して、彼等の創作から、農民に影響を及ぼすために必要な前提条件となる、農民的な文芸的形象を根絶すべきではない。」と。
だが、農民作家の間には、昔のムジーク風な民族主義の傾向がつよく残っている。彼等は現代のソヴェト農民が過去の社会制度の置き土産としてもっているものの考えかたのテンポのおそさ、懐疑癖、漸進性(保守性とまるでくっついた)その他いろんな心理や習慣を、追々進んでゆく社会主義の生産組織へ変ってゆく可能のある要素と見ず、それ等の特性そのものがそれとして価値のあるロシア的なものであり、ロシアを救うものだという考えかただ