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プロレタリアぶんがくにおけるこくさいてきしゅだいについて
プロレタリア文学における国際的主題について
宮本 百合子
「読売新聞」1931(昭和6)年10月16、17、20~22日号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,199 字 · 15 页
どだい、プロレタリア文学における国際的主題は種々の困難をもっているものだ。
ソヴェト同盟のプロレタリア文学はその素晴らしい達成にもかかわらず、やはりこの国際的主題を扱ったいい作品のないことは関心の的となっている。
旅行記、見聞記的論文はある。だが、ほんものの階級的インターナショナルの観点から、唯物弁証法的方法で書かれた小説は、ソヴェト同盟でもまだ出ていないのだ。然し、今日の地球上の情勢は、二つの世界、プロレタリア・農民インターナショナルの結成と、ファッショ化した世界ブルジョアの過渡的協力との対立をますます激化させつつある。
プロレタリア文学は、当然、内国的主題をいよいよ具体的に国際的なプロレタリア・農民解放運動全般との結びつきにおいて深化させて行くとともに、一方、次第にこの「転換時代」に類する作品、又は、紹介的役割をもつ「ズラかった信吉」の更に数段成功的な作品が現れる可能が十分ある。
内国的主題において国際的要素が強まるばかりではない。国際的主題そのものの発展が、プロレタリア文学の領域における主題の多様化にある功献をする時代が来ていることはすでに明かだ。