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プロレタリアぶんがくにおけるこくさいてきしゅだいについて

プロレタリア文学における国際的主題について

宮本 百合子

「読売新聞」1931(昭和6)年10月16、17、20~22日号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,199 字 · 15 页

青空文庫

一

『改造』十月号に藤森成吉が「転換時代」という小説を書いている。

自分は非常な興味をもってよみ始め、よみ終ってから何度も雑誌の頁をパラパラめくって考えこんだ。――感服したのではない。不服だった。大いに不服なのだが、この「転換時代」は非成功的作品にもかかわらず種々の発展的な問題を含んでいる。その問題の積極性が自分の注意を捕えた。

プロレタリア文学において、国際的主題はどう扱われるべきか。これが先ずその主な課題の一つなのだ。

本質からいって、正当なプロレタリア文学は基礎的な要素として根にひろい国際性をもつものだ。何等かの形でプロレタリア・農民の階級的闘争を直接・間接の主題としないプロレタリア文学というものはない。ところがプロレタリア・農民は日本にだけいるものだろうか? そうではない。ソヴェト同盟だけにかたまったか? そうでないのは知れている。搾取者のいるところ、必ず被搾取者としてのプロレタリア・農民が南アフリカの隅にまでも存在する。

各々の手に握る鋤の形が違うように、機械が違うように、各国の闘争の細部にわたる具体性はある点違っているだろう。