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しこんぞめについて

ポラーノの広場

宮沢 賢治

宮沢賢治『ポラーノの広場』。同一底本的分册已合并为一书。收入:紫紺染について、泉ある家、十六日、手紙 一、手紙 三、手紙 二、手紙 四、サガレンと八月、バキチの仕事。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,934 字 · 50 页

青空文庫

手紙 一

むかし、あるところに一疋の竜がすんでいました。

力が非常に強く、かたちも大層恐ろしく、それにはげしい毒をもっていましたので、あらゆるいきものがこの竜に遭えば、弱いものは目に見ただけで気を失って倒れ、強いものでもその毒気にあたってまもなく死んでしまうほどでした。この竜はあるとき、よいこころを起して、これからはもう悪いことをしない、すべてのものをなやまさないと誓いました。

そして静かなところを、求めて林の中に入ってじっと道理を考えていましたがとうとうつかれてねむりました。

全体、竜というものはねむるあいだは形が蛇のようになるのです。

この竜も睡って蛇の形になり、からだにはきれいなるり色や金色の紋があらわれていました。

そこへ猟師共が来まして、この蛇を見てびっくりするほどよろこんで云いました。

「こんなきれいな珍らしい皮を、王様に差しあげてかざりにしてもらったらどんなに立派だろう。」

そこで杖でその頭をぐっとおさえ刀でその皮をはぎはじめました。竜は目をさまして考えました。

「おれの力はこの国さえもこわしてしまえる。この猟師なんぞはなんでもない。いまおれがいきをひとつすれば毒にあたってすぐ死んでしまう。