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かぜのまたさぶろう

ポラーノの広場

宮沢 賢治

宮沢賢治『ポラーノの広場』。同一底本的分册已合并为一书。收入:風野又三郎、タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった、ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記、若い木霊。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 67,062 字 · 135 页

青空文庫

。さてネネムは、この様な大へんな名誉を得て、そのほかに、みなさんももうご存知でしょうが、フゥフィーボー博士のほかに、誰も決して喰べてならない藁のオムレツまで、ネネムは喰べることを許されていました。それですから、誰が考えてもこんな幸福なことがない筈だったのですが、実はネネムは一向面白くありませんでした。それというのは、あのネネムが八つの飢饉の年、お菓子の籠に入れられて、「おおホイホイ、おおホイホイ。」と云いながらさらって行かれたネネムの妹のマミミのことが、一寸も頭から離れなかった為です。

そこでネネムは、ある日、テーブルの上の鈴をチチンと鳴らして、部下の検事を一人、呼びました。

「一寸君にたずねたいことがあるのだが。」

「何でございますか。」

「膝やかかとの骨の、まだ堅まらない小さな女の子をつかう商売は、一体どんな商売だろう。」

検事はしばらく考えてから答えました。

「それはばけもの奇術でございましょう。ばけもの奇術師が、よく十二三位までの女の子を、変身術だと申して、ええこんどは犬の形、ええ今度は兎の形などと、ばけものをしんこ細工のように延ばしたり円めたり、耳を附けたり又とったり致すのをよく見受けます。