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かぜのまたさぶろう

ポラーノの広場

宮沢 賢治

宮沢賢治『ポラーノの広場』。同一底本的分册已合并为一书。收入:風野又三郎、タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった、ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記、若い木霊。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 67,062 字 · 135 页

青空文庫

ネネムはそこで髪をすっかり直して、それから路ばたの水銀の流れで顔を洗い、市にはいって行く支度をしました。

それからなるべく心を落ちつけてだんだん市に近づきますと、さすがはばけもの世界の首府のけはいは、早くもネネムに感じました。

ノンノンノンノンノンといううなりは地の〔以下原稿数枚分焼失〕

「今授業中だよ。やかましいやつだ。用があるならはいって来い。」とどなりましたので、学校の建物はぐらぐらしました。

ネネムはそこで思い切って、なるべく足音を立てないように二階にあがってその教室にはいりました。教室の広いことはまるで野原です。さまざまの形、とうがらしや、臼や、鋏や、赤や白や、実にさまざまの学生のばけものがぎっしりです。向うには大きな崖のくらいある黒板がつるしてあって、せの高さ百尺あまりのさっきの先生のばけものが、講義をやって居りました。

「それでその、もしも塩素が赤い色のものならば、これは最も明らかな不合理である。黄色でなくてはならん。して見ると黄色という事はずいぶん大切なもんだ。黄という字はこう書くのだ。」

先生は黒板を向いて、両手や鼻や口や肱やカラアや髪の毛やなにかで一ぺんに三百ばかり黄という字を書きました。