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リズムのこうぞう

リズムの構造

中井 正一

「美・批評」1932(昭和7)年9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,957 字 · 16 页

青空文庫

ブルーノーよりデカルトをさらにカントを見透す線はそれである。

しかし発見されたものは、自我である。新たに発見されたる発見的存在である。明暗を爆烈せしめ、激しきものの根源となり、新しき闇、神秘の基礎となる存在の内面である。ベーメよりフィヒテを貫く線がそれである。

これらのものは、すでにフランス革命の勃発以前に発生したる契機であると同時に、すでに個人主義文化の二つの大いなる契機でもあった。いわゆるブルジョワジーとは一つのアンチノミーである。具体的歴史的過程において事実存在するがゆえに、そのアンチノミーは弁証法的とよばれもする。ブルジョワジーとは、個人の発見と個人の自己分裂の二つのものを意味する。

個人の発見は科学が導きだしたものであり、カントがその成立を立証せんとしたものである。

個人の自己分裂は、すでに自我の概念の成立とともに始まっている。フィヒテがその槓杆となったところのものである。個人の成立はその誕生の日にすでに否定の槌の下においてなされている。それはイロニーであり、それは動座標的な一つの動きのほかの何ものでもない。

かかる滑べれる地盤の上に成立する思想的建築物は、一歩その目標をあやまれば裂傷を受ける。