轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ウィタ・セクスアリス
ヰタ・セクスアリス
「昴」1909(明治42)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 58,941 字 · 119 页
てんでに買って来たものを出して、鍋に入れる。一品鍋に這入る毎に笑声が起る。もう煮えたという。まだ煮えないという。鍋の中では箸の白兵戦が始まる。酒はその頃唐物店に売っていた gin というのである。黒い瓶の肩の怒ったのに這入っている焼酎である。直段が安いそうであったから、定めて下等な酒であったろう。
皆が折々僕の方を見る。僕は澄まして、机の下から最中を一つずつ出して食っていた。
Gin が利いて来る。血が頭へ上る。話が下へ下って来る。盲汁の仲間には硬派もいれば軟派もいる。軟派の宮裏が硬派の逸見にこう云った。
「どうだい。逸見なんざあ、雪隠へ這入って下の方を覗いたら、僕なんぞが、裾の間から緋縮緬のちらつくのを見たときのような心持がするだろうなあ」
逸見が怒るかと思うと大違で、真面目に返事をする。
「そりゃあお情所から出たものじゃと思うて見ることもあるたい」
「あはははは。女なら話を極めるのに、手を握るのだが、少年はどうするのだい」
「やっぱり手じゃが、こぎゃんして」
と宮裏の手を掴まえて、手の平を指で押して、承諾するときはその指を握るので、嫌なときは握らないのだと説明する。