轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いっすんぼうし
一寸法師
江戸川 乱歩
「東京朝日新聞」朝日新聞社、1926(大正15)年12月8日~1927(昭和2)年2月20日<br>「大阪朝日新聞」朝日新聞社、1926(大正15)年12月8日~1927(昭和2)年2月21日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,475 字 · 194 页
見通しの橋の上なので、咄嗟に身を隠すことも出来ず、仕方がないので、普通の通行人を装って、歩行を続けて行った。だが一寸法師は明かに尾行を悟った様子だった。彼はその時一寸ふところに手をいれて、例の包物をだしかけたのだが、紋三の姿を発見すると、あわてて手を引っこめ、何食わぬ顔をして、又歩きだした。
「奴さん、女の腕を河の中へ捨てる積りだったな」紋三はいよいよただ事でないと思った。
紋三はかつて古来の死体隠匿方法に関する記事を読んだことがあった。そこには殺人者は往々にして死体を切断するものだと書いてあった。一人で持運びをするためには、死体を六個又は七個の断片にするのがもっとも手ごろだとも書いてあった。そして、頭はどこの敷石の下に埋め、胴はどこの水門に捨て、足はどこの溝に放り込んだという様な犯罪の実例が、沢山並べてあった。それによると、彼等は死体の断片を、なるべく遠いところへ別々に隠したがるものらしかった。
彼は相手に悟られたかと思うと少し怖くなって来たけれど、そのまま尾行をあきらめる気にはどうしてもなれないので、前よりは一層間隔を遠くして、ビクビクもので一寸法師の跡をつけた。