轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いっすんぼうし
一寸法師
江戸川 乱歩
「東京朝日新聞」朝日新聞社、1926(大正15)年12月8日~1927(昭和2)年2月20日<br>「大阪朝日新聞」朝日新聞社、1926(大正15)年12月8日~1927(昭和2)年2月21日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,475 字 · 194 页
それにしても、これはまあ、何という驚くべき事実であろう。
「そこで、嫌疑者が一人もなくなった訳ですが、殺人行為があった以上、犯人のないはずはありません」明智の説明は続いた。「犯人は確にあったのです。ただそれが余りに意想外な犯人であるために、何人も、山野夫人すらも、気がつかなかったのです。私は御約束通り、今夜その犯人を御引渡し致します。ですが、その前に、私が真犯人を発見するに至った径路をかいつまんで御話して置き度いと思うのです。警察の方々には多少御参考にもなろうかと思いますので」
又しても明智の思わせぶりであった。田村検事はもどかしさに、ガタリと足を組み直した。
「明智君、いやに気を持たせるじゃないか。まずその犯人を明かしてからにし給え」
「さては」明智は愉快相にニコニコして、「君にもまだ見当がつかないと見えるね。併し、まあ順序よく話させてくれ給え」
「どうも、君の話は小説的でいけない。なるべく簡単に」
磊落な田村氏は笑いながら友人の揶揄に報いた。
「私が最初、この事件にある不調和を見出したのは、この化粧品のクリームの瓶からです」明智は台の上の白いポンピアン・クリームの壺を取り上げた。