轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

いっすんぼうし

一寸法師

江戸川 乱歩

「東京朝日新聞」朝日新聞社、1926(大正15)年12月8日~1927(昭和2)年2月20日<br>「大阪朝日新聞」朝日新聞社、1926(大正15)年12月8日~1927(昭和2)年2月21日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,475 字 · 194 页

青空文庫

男は威圧的な態度を一変して、身もだえをしながら哀願した。いつのまにか、外套姿の長い身体が、横倒しになって、奇怪な長虫の様に、身をくねらせながら、百合枝の方に近づいて来た。

「あなたは一体だれです。私の知っているあなたではないのですか。だれです、だれです」

百合枝は一層隅の方へ身をすくめながら、上ずった声で叫んだ。

「あなたはそれが知りたいのですか。じゃ、今教えて上げる」

横たわっていた男が、飛び上る様にはね起きて、つと電燈の方へ手を伸したかと思うと、パチッという音がして、突然部屋が真暗になった。

二階の雨戸がすっかり閉っている上に、外の往来にも薄暗い門燈の外には何の光もないので、電燈が消えると部屋の中は真の暗であった。

百合枝夫人はその中で、ある身構えをしてじっと男のいた方角を見つめて居た。彼女は何よりも今度の事件の真相が暴露することを恐れた。その秘密を保つ為にはどんな犠牲も忍ばねばならぬと覚悟を極めていた。それに、生娘でもない彼女は、はしたなく悲鳴を上げる様なことはなかったけれど、でもやっぱり、いい知れぬ恐怖に胸の辺がビクビク震え出すのをどうすることも出来なかった。