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さんにんのそうせいじ
三人の双生児
海野 十三
「新青年」1934(昭和9)年9、10月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 43,806 字 · 87 页
新聞広告を出したために、たいへんな人間がとびこんできたものであった。肩口のところで紅くなってムクムク膨れ出してくる第三本目の腕の痕など、ちょっと一と目見たい好奇心もおこるけれど、やはり恐ろしかった。白面でもって、そんないやらしいものを見られるものじゃありゃしない。これは随分変態的な男であると呆れるより外なかった。でもどうしたというのであろう。呆れるという以上に、近頃刺戟に飢えているらしい我が身にとって何かしら、気にかかることでもあった。
「それであんたは妾の兄弟だと思っているの」
と、妾は話頭を転じたのだった。
「さあ、それを確かめたくて伺ったのですけれど、とにかく僕は貴女がなにか関係のある人に思われてならないのです」
聞けば聞くほど、興味の深い海盤車娘の物語ではあったけれど、妾はそれ以上聞いているのに耐えられなかった。それでもういい加減に、この変な男に帰ってもらいたくなった。それで妾は最後にハッキリと云ってやった。
「こうして話を伺っていると、あたしとあんたとは、たいへん身の上が似ているように思いますわよ。でも、あたしとしては、知りたいと思う一番大事なことが、いまのあんたの話では説明されてないように思うのよ。