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さんじゅうねんごのせかい
三十年後の世界
海野 十三
「少年読売」1948(昭和23)年3~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 68,140 字 · 137 页
昭和二十二年八月十三日
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たいへんな拾い物だ。この球の中には、少年が冷凍されているのだ。二十年たったら、ふたたび世の中へ出て来たいのだという。
二十年どころか、もう三十年もたっている、早く出してやらなくてはならない。しかし人間を冷凍する技術が、今から三十年も前にすでに考えられていたとは、大した発見である。と、登山者の一人であるカンノ博士はおどろいた。
相談の結果、この大きな拾い物は、東京へ持ちかえることとなった。
博士は、携帯無電機を使って、東京へ電話をかけた。五トンぐらいのものがらくに持ちあがるヘリコプター(竹とんぼ式飛行機)を一台至急ここまでまわしてくれるように、航空商会の千代田支店に頼んだ。
二十分ほどすると、空から一台のヘリコプターがゆうゆうと下りて来た。頼んだ、のりものであった。カンノ博士たちは、ハンカチーフをふった。
着陸したヘリコプターの貨物庫の中に、金属球を入れた。それから博士たちは客席へ入った。ヘリコプターは間もなく離陸して、東京へ向った。
とちゅう相談の結果、拾った金属球はヤク大学の生理学部の大講堂へ持込み、そこで開くことにきめた。