轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

さんしろう

三四郎

夏目 漱石

三四郎在火车上遇见一位肤色黝黑的女子,不由自主想起故乡的恋人。他假装睡着偷听她和邻座老人聊天,越听越放不下。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 169,765 字 · 343 页

青空文庫

その目には暈がかかっているように思われた。いつになく感じがなまぬるくきた。頬の色も少し青い。

「色が少し悪いようです」

「そうですか」

二人は五、六歩無言で歩いた。三四郎はどうともして、二人のあいだにかかった薄い幕のようなものを裂き破りたくなった。しかしなんといったら破れるか、まるで分別が出なかった。小説などにある甘い言葉は使いたくない。趣味のうえからいっても、社交上若い男女の習慣としても、使いたくない。三四郎は事実上不可能の事を望んでいる。望んでいるばかりではない。歩きながら工夫している。

やがて、女のほうから口をききだした。

「きょう何か原口さんに御用がおありだったの」

「いいえ、用事はなかったです」

「じゃ、ただ遊びにいらしったの」

「いいえ、遊びに行ったんじゃありません」

「じゃ、なんでいらしったの」

三四郎はこの瞬間を捕えた。

「あなたに会いに行ったんです」

三四郎はこれで言えるだけの事をことごとく言ったつもりである。すると、女はすこしも刺激に感じない、しかも、いつものごとく男を酔わせる調子で、

「お金は、あすこじゃいただけないのよ」と言った。三四郎はがっかりした。