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さんあくにんものがたり

三悪人物語

山本 周五郎

忍術千一夜 第二話

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,990 字 · 58 页

青空文庫

たしかに、裏口からお伺いするようなことだからどじを踏むんである、こっちは抜刀斬込み隊ではないか、男子はすべからく堂々とやるべしだ。――蓑賀殿から剥ぎ取った物は姐さんに召し上げられた、しかし弁当代だけは置いていってくれたので、腹ごしらえは出来た。

「やっぱり姐さんは姐さんだな」

権頭はなんどもこう云って溜息をついた、

「――堂々とおやり、男だろう、こういかなくちゃあいけねえ、おい、今夜こそやろうぜ」

「おてからな、どどとな、またなしだ」「要するにですね、つまり、――滞納した税金ですよ」

「それおはこが出た、そのおちは杢なんとつくんだ」

「遠慮なくはたるというわけです」

「うん悪くはねえ、ひとつその意気で踏ん込もうぜ」

夜は初更に及んだ、すなわち十時の鐘が鳴って間もない時刻、三人は堂々と基地から出て、大根畑をつき抜け、かの家の玄関へ押し込んでいった。――今や抜刀斬込み隊の勢いである、遠慮は無用、杉戸をがらりと明けて、襖は土足のままこれを蹴放してずかずかゆく、非常に壮快だ、無人の野を席捲する概がある、

「どうだ」

三人は互いに顔を見交わした、そのまま各自は豪雄不羈の士である、そしてそこが主じの部屋だ。