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さんあくにんものがたり
三悪人物語
山本 周五郎
忍術千一夜 第二話
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,990 字 · 58 页
十二
十二
右のごとくしてついに、三人はついに「助けてくれ」と叫び始めた。抜刀斬込み隊の勇士、三人組みの凶猛なる悪徒も自分の命は惜しい、死ぬか生きるかとなればやっぱり「生きたい」とみえる。
「助けてくれ、なんにもいらねえ、金もなにもほしくはねえ、命だけは勘弁してくれ」権頭が悲しげな声をあげた、「本当に死んじまう、おねげえだ、助けてくれ」
その悲鳴と同時に、忽然と、――まさに忽然とそこへ八百助が現われた。彼は彼でその七十二時間を正味七十二時間に使って帰ったのだ。
「どうした、金を盗んでいかないのか」
「かにあいらね」中将が気息えんえんとして頭を振った、「そなもな、みるせやだ、まぴらだ、もなくいて」
「つまりです、――われわれと、しましてはですね」「助けてくれ、食わせてくれ」権頭もぐらぐら頭を揺らかした、「なんでもする、眼が見えねえ、死んじまう」
「いや死にはしないよ、大丈夫だ」八百助は微笑しながら云った、「おまえさん達にはまだ仕事が残っている、仕上げはこれからだ」
物語はポコ、ア、ポコよりアレグロに変わり申す。
佐貝の港へ前触れもなく五艘の船が入った、前触れはなかったが、入港と同時に大変な触れが出た、「加賀、薩摩、仙台の三大藩主から、佐貝市民に贈る救恤物資の到着」