轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ふざいじぬし
不在地主
小林 多喜二
一~十一、十六「中央公論」1929(昭和4)年11月号、十二~十五(「戦い」の表題で。)「戦記」1929(昭和4)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 69,990 字 · 141 页
」
「今度あまり急で駄目だったども、こんな時あれだな、皆で相談ば纏めて置いてよ、お願いせばよかったな。」
阿部はみんなの云うのを聞いていた。――阿部には、今度「見物」に来るということをワザと管理人がその前の晩になって知らせた魂胆がハッキリ分っていた。二年程前、それで管理人が失敗していた。皆が普段からの不平を持ち寄って、岸野の旦那が来たとき、それを嘆願した。その事から大きな事件になりかけた事があったからだった。――で、今度は管理人に出し抜かれてしまった。
自動車の後の埃の中をベタベタな藁草履をはいた子供達が、四五人追いかけていた。のろくなると、皆は鈴なりに後へブラ下ってしまった。――自動車は農場の入口の管理人の家の前で、ガソリンの匂いをはいて、とまった。
袖を軽く抑えて、着物の前をつまみ、もの慣れた身腰で、ひらりと奥様が降り立った。
「まア、とてもひどい自動車なこと!」――上品に眉だけをひそめた。
続いて、一文字を手にして、当の主人が白絣に絽の羽織で、高い背をあらわした。その後からクリーム色の洋装した令嬢が降りた。後の自動車には、出迎えに行った村長、校長、管理人、それにH町の警察署長が乗っていた。