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せかいのいっかんとしてのにほん

世界の一環としての日本

戸坂 潤

在线阅读戸坂 潤《世界の一環としての日本(せかいのいっかんとしてのにほん)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,338 字 · 422 页

青空文庫

大森氏や河上博士が取り上げた反動家は、その反動振りにも拘らず、云わば欧州的範疇で物を云っている連中に他ならない。彼等がどれ程精神とか国家乃至国民とかいう根本概念(範疇)に力を入れようとも、その精神とか国家乃至国民とかいう概念が、云わば欧州哲学乃至欧州政治学のものだ、というのである。欧州的範疇――それは根本的にはギリシア的範疇から系統発生したものであるが――の何よりもの特色は、それがどれほど神学的又は形而上学的になろうとも、いつも自然科学的・技術的・認識の諸範疇との取り引きを見失わなかったという点に横たわる。自然科学的・技術的・範疇から離反するにしても、少なくともその離反に就いて一定の反省なしにはいられないのがその特色である。こういう実証性があったればこそ初めて、印度や支那の哲学的範疇が今日では歴史的遺物となって了ったと異って、今もなお吾々現代人の――単に欧州人だけのではない――生活に役立つ範疇として活きていることが出来たのである。

だから今云った連中が立脚している諸範疇は、少なくとも個々の範疇それ自身としては現代的通用性を有っている。彼等の反動性はこれを諸範疇の体系組織法に、彼等の理論構成法になって、初めて現われて来るのである。