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せかいのいっかんとしてのにほん

世界の一環としての日本

戸坂 潤

在线阅读戸坂 潤《世界の一環としての日本(せかいのいっかんとしてのにほん)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,338 字 · 422 页

青空文庫

6 不安の二種類

同じ資本の発展のコースではあっても、大規模な道路をつくるのと、細かい間道を開くのとでは、民草の葉や茎や根の受ける動揺は非常に違うのである。だから自由主義者にも、一理あるとすれば、夫は彼がこの被政者の壇場に立った時に限るというわけである。――自由主義者に二種類あるということが之からでも判ると思うのである(この大道の工事も、この間道の工事も、遂に成功を齎すに至らないだろう点に就いては別に述べたいと思う)。

(一九三六)

6 不安の二種類

二・二六事件が何かの意味で、進歩的な役割を持っているものだ、という考え方は今日、色々の形で現われている。無論この事件の当時者が考えているような意味で之が進歩的だとする考えは、論外としよう。これを除いて残るものは第一に、この事件当事者の「革新」という目的が、実は社会改革そのものの目標と終局的には一致するので、ただ彼等は単に之を歪んだ不完全な形で唱え出し又やり出したに過ぎないという解釈だろう。併し事件当時、都市の労働者は云うまでもなく、連中のイデオロギーが当然当てにして然るべきであった農民も、それからこうした事件にはとかく騒ぎまわりたがる市民達も(主に小市民なわけだが)、極めて冷淡であったことは、世間が斉しく認めている処だ。