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おかのどうぞう

丘の銅像

新美 南吉

「新美南吉童話全集第一巻 ごんぎつね」大日本図書、1960(昭和35)年6月20日初版発行

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,087 字 · 17 页

青空文庫

丘のふもとの、うつくしい平和な村に、ハンスという、詩人が住んでいました。

丘の上に立って、うつくしい村をながめては、歌にうたい、牧場にいって、やさしいひつじのむれをながめては、詩をかくのがつねでした。ハンスのつくった詩は、国じゅう、だれひとり知らないものはないほどでした。

あるとき王さまは、この村のそばを通りかかりましたが、ハンスがこの村にいると聞いて、わざわざ、この名高い詩人に、あいにこられました。王さまでさえ、そんなに、ハンスをたいせつに思っていられるのですから、村の人たちが、ハンスをうやまったことは、いうまでもありません。そんなわけですから、このハンスが年とって、天国へめされていったときには、村の人たちは相談をして、ハンスをいつまでもわすれないように、銅像をたてることにきめました。

三か月ほどのち、丘の上のにれの木の下には、りっぱなハンスの銅像がたちました。ちょうど、ハンスと同じ高さで、顔から形から、生きてるときの、ハンスそっくりでした。村の人たちは、その銅像を見あげては、生きてたときのハンスが、牧場のさくのそばで、ひつじのむれをいつまでも、じっと見つめているすがたを思い出すのでした。