轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

よしんちょうしょ

予審調書

平林 初之輔

「新青年」1926(大正15)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,371 字 · 23 页

青空文庫

」

「判事!」と原田教授は突然、ばねのように立ち上って叫んだ。

三

判事は多少の注意力をおもてに現わして膝をすすめた。

老教授の一時の昂奮は、しかし「判事!」と叫んだ一語のために、すっかり消えてしまったものと見えて、またもや、菜葉のようにしおれてしまった。

「判事、もう何もかも白状してしまいます。わたしはまあなんという人間でしょう。この年をして、人に物を教える身でありながら、人もあろうに自分の最愛の子供に罪をきせて、今まで白ばっくれているなんて。わたしです。わたしがあの女を殺したのです。あの女を過って殺したのはわたしです。すぐにせがれを放免して、代りにわたしを縛って下さい。判事!」

どんなに法律ばかりつめこまれた頭だって、このような劇的な告白をきいて平気でおられるはずはないと思われるが、篠崎予審判事は少しも驚いた様子も、感動した様子もない。まるで、ちゃんと予期していたような顔つきである。

「では玄関で殺した死体がどうして台所にうつぶしになって、しかも背中に小刀がさしてあったのですかね。林の陳述には間違いはありますまいが?」

原田教授は、もうすっかり落ちついて語り出した。