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ふたりまちやっこ

二人町奴

国枝 史郎

「少年倶楽部」1927(昭和2)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,555 字 · 19 页

青空文庫

すると十三郎もズット出た。

「いや拙者とて同じでござる。弥左衛門殿のお扱いなら、なんの不足がございましょう。白柄組とか吉弥組とか、旗本奴の扱いなら、とかく何かと言っても見たいが、長兵衛殿のお身内なら、我々にとってはむしろ味方、弥左衛門殿のご高名も、かねがね承知致して居ります。土岐氏においてそのおつもりなら、スッパリ何事もあなた任かせ!」

「ま、任せて下さるか……」

弥左衛門喜んで辞儀をした。

「それでは何より真っ先に、抜いた白刃を元の鞘へ」

「よろしゅうござる」と土岐与左衛門、部下の一同を見廻したが、

「な、方々聞かれるような次第、さあさあ刀をお納め下され」と自身パッチリ鞘に納める。

「貴殿方にも」と十三郎「刀をお納めなさるがよろしい」――で、パッチリと鞘に納める。

血の雨の降るべき大修羅場は、こうして平和に治まったのである。

「こうなったのもこの釣鐘が私に役立たせてくれたからで、目出度い釣鐘、有難い釣鐘、さあさあそれでは元の座へ」

龍頭を掴むとグ――ッと引き上げ、肩へ担ぐと弥左衛門、だしの上へそっと置いた。

「さあさあ皆さん景気よく、奉納寄進しておくんなせえ」