轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
「ニューエイジ」1952(昭和27)年2月1日~11月1日
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 113,429 字 · 227 页
しかし、病気のお父さんもわが家の港に病気をやしなうことができず、希望をかけた八津もまた死んでしまった。……
ものがとぼしく、八津のなきがらをおさめる箱も、材料をもってゆかねば作れないといわれ、少しこわれかけていた昔のたんすでつくることにした。花までが人間の生活のなかから追いだされていた。大吉は並木と二人で墓場へゆき、ジャノメ草やおしろい花をとってきて八津をまつった。もとは花もたくさん作っていたという庭は、大吉たちの記憶のかぎり、大根やかぼちゃ畑で、せまい軒先にまでかぼちゃは植えられて、屋根にはわせていた。八津がなくなるとお母さんは、泣きながら軒のかぼちゃをひきちぎるようにしてぬきとった。うらなりの実が三つ四つ、長い蔓に引きずられて落ちてきた。そのなかの丸いのを盆にのせて仏壇に供えたのだったが、疫痢という噂が立って、だれもきてくれぬ通夜の枕もとにすわって、いつもの停電がすんだあと、お母さんはふと気がついたように、枕刀にした小さなゾーリンゲンの庖丁をとりあげ、いきなり、ぐさりとかぼちゃの横腹につき立てて、大吉たちをおどろかした。ゾーリンゲンはお父さんが買ってきたものだった。