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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
「ニューエイジ」1952(昭和27)年2月1日~11月1日
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 113,429 字 · 227 页
それを八津に結びつけたのは、八津と同い年の一年生を見るにつけ、八津が思いだされたのでもあったし、ミサ子といっしょに仁太や竹一たちの墓へまいったりしたことからの思いつきでもあったろう。
その日先生は家へ帰ってから、二人の子どもの前で話しだした。
「なあ、君たち、こまったことができたんだけど、あさっての日曜日、お母さん用事ができたの。八津の年忌、一週間のばそうよ」
「いやっ」
「いやだっ」
二人はま正面から反対した。
「そう。こまったな。お母さんの昔の教え子がね、歓迎会をしてくれるというのよ。歓迎会って、よろこんでむかえてくれる会よ。それをことわるわけには、いかんだろ」
「いやっ。やくそくしたもん」
いつも留守番の時間の多い並木はひるまずそういったが、大吉はさすがにだまっていた。しかしその顔には、失望の色がはっきりあらわれていた。
「そうよ。おまえたちと約束したから、お母さんこまったのよ。いっしょに考えてよ、並木も大吉も。お母さん、歓迎会にいかないで、家にいたほうがいい?」
そして、手紙をよんで聞かせた。二人ともだまりこんで、顔を見あわしていたが、やがて並木は、ぶつぶつとつぶやいた。