轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
きょうかのこむすめどうじょうじ
京鹿子娘道成寺
酒井 嘉七
「探偵春秋 第二巻第六号」春秋社、1937(昭和12)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 24,841 字 · 49 页
お尋ねがあったそうでございまして、次に記しますのがその陳述であったのだそうでございます。
×
「あの、河原崎座の小屋は、御存じの通り猿若町の表通りにございまして、裏は細い通りになっております。――つまり、猿若町の裏通と、夜ともなれば絃歌さんざめく囃子町の裏通とが、背を合している、人通も、あまりない程な、細い裏道なのでございます。この裏筋に面した側には、小屋の出入口が二つあるのでございまして、ひとつはお客さま用の非常口――しかし、これは、いつも、かたく閉されております。も一つの方が、楽屋への入口でございまして、このはいり口に、冬の寒い日であれば、火鉢におこした炭火で、また火をいたしながら、私が番をいたしているのでございます。……それは、一座の入れかわりました初日なぞ、はたして、この方が、こん度、お芝居をなされる役者の方であろうか――お囃子のご連中であろうか――と、首を傾げるようなことがございます。しかし、そこは、永年、こうした、入口の番人でお給金をいただいている私でございます。たとえ名の知れない田舎廻りの一座が、小屋にかかりました時でも、入口に現われたお方を見れば、この方は役者の方だ、お囃子方だ――それも、役者のかたであれば二枚目、三枚目、といったことまで、一と目で分るほどでございます。