轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
じんせいろんノート
人生論ノート
三木 清
下記以外「文學界」文藝春秋社、1938(昭和13)年6月~1941(昭和16)年10月<br>個性について「哲學研究 第五十二號 第五卷 第七册」京都哲學會、寶文館、1920(大正9)年7月1日<br>後記「人生論ノート」創元社、1941(昭和16)年8月11日<br>旅について 不詳
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,023 字 · 143 页
希望と現実とを混同してはならぬといわれる。たしかにその通りである。だが希望は不確かなものであるか。希望はつねに人生というものほどの確かさは持っている。
もし一切が保証されているならば希望というものはないであろう。しかし人間はつねにそれほど確実なものを求めているであろうか。あらゆる事柄に対して保証されることを欲する人間――ひとは戦争に対してさえ保険会社を設立する――も、賭に熱中する。言い換えると、彼は発明された偶然、強いて作られた運命に心を砕こうとするのである。恐怖或いは不安によって希望を刺戟しようとするのである。
希望の確実性はイマジネーションの確実性と同じ性質のものである。生成するものの論理は固形体の論理とは異っている。
人生問題の解決の鍵は確実性の新しい基準を発見することにあるように思われる。
希望が無限定なものであるかのように感じられるのは、それが限定する力そのものであるためである。
スピノザのいったように、あらゆる限定は否定である。断念することをほんとに知っている者のみがほんとに希望することができる。何物も断念することを欲しない者は真の希望を持つこともできぬ。