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じんぞうにんげんエフし

人造人間エフ氏

海野 十三

「ラヂオ子供のテキスト」日本放送協会出版、1939(昭和14)年1月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,879 字 · 109 页

青空文庫

どこまでもよくできた人造人間だった。

人造人間の操縦

博士は、急に、そわそわしはじめた。立ってもすわってもいられない様子だ。帆村探偵は、正太の方に、目配せをした。

正太は、帆村の顔色を察して、だまって、うんうんとうなずいた。

「ねえ、博士。人造人間が、こわれないうちに、この操縦器をつかって、おとなしく呼びもどしておいたがいいでしょう」

「うん、それはそうだが、わしの手は動かない。この縄をといてくれ」

「はははは。あなたの方でといてくれといいだしましたね。しかし、とくことはなりません」

「なぜとかないのか。とかないと、人造人間は大あばれにあばれて、今に、日本の国民全体が、大後悔しても、どうにもならんような一大事がおこるが、それでもいいのじゃな」

「博士、おどかしは、もうよしてください」と帆村はひややかにいい放った。

「なるほど、あなたの手は動きません。しかし口は利けるのですから、口でいってください。僕がそのとおりに、操縦器のスイッチを切ったり入れたりしましょう」

「ははあ、分った。貴様、人造人間の操縦法を、わしから聞きだそうというのじゃな」

「そうです。早くいえば、そうです」