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〔ふ〕ゆいぶつろんけんきゅうについて(とさかじゅんしゅき)
〔付〕唯物論研究に就て(戸坂潤手記)
戸坂 潤
「思想月報 第九号」司法省刑事局、1935(昭和10)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,123 字 · 18 页
三、現状
元来本会の構成メンバーは主として学校教師、官吏、会社員等のインテリ、小市民層に属するものであり、警察官の単なる事務的な行動に対してさえそれがただ警察の手によって行われたというだけの理由によって、何等かの疑念と危惧とを抱くところの極めて温良なる職場関係、家族関係乃至親戚関係等に囲まれている。従って警察官の単なる歴訪も本人の地位、職場に影響を及ぼすかの如き臆病な誤解を抱き、本人よりはその周囲を驚かし、本人また純良なるインテリなるため、容易くその周囲の意見に服するを普通とする。今度の歴訪事件によっても、その結果四十名に上る退会者を出すに至った。本会としては非常に打撃であるが、かかる衝撃を受け易い層に会員を求める他なき本会としては、これ又不可抗の現象なのである。
三、現状
創立以来三年、その間種々外部的な影響を受け、それが内部的な擾乱を惹起し、研究活動は創立後三ヵ月位を頂点として漸次不振、縮小、整理の一途を辿り、機関誌活動も未踏の境地に足を踏み入れたというだけで、学問研究そのことの困難の他に、社会状勢からの制限を受けて漸く現状を保持しているだけの状態にあることは自ら認めねばならぬところである。