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はいくはかくかいしかくあじわう

俳句はかく解しかく味う

高浜 虚子

「俳句は斯く解し斯く味ふ」新潮社、1918(大正7)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 73,016 字 · 144 页

青空文庫

結果は同じことになっているのである。

大沼

萍の花からのらんあの雲へ    一茶

大沼を眺めた時の句で、その沼の向うには雲の峰が立っておる、その雲へ乗るのには、その沼に生えている萍の花から乗るがいいというのである。真逆萍の花から雲へ乗ることの出来ぬことは一茶も承知しているのである。そんな知識は除けて子供みたような心持になって、いかにもその萍の花から雲に乗れそうに思えたのを、そのまま句にしたところにかえって妙味があるのである。この子供らしい詩人的なところがまた一茶の特色の一つである。

蟻の道雲の峰より続きけん    一茶

この句も同じような句である。夏大地の上に蟻の行列が長く続いている、それを辿って行って見ると、「おや」「おや」と行けば行くほど驚かるるように遠方から続いておる。いくら辿って行ってもまだまだ先がある。この蟻の道はあの向うに峙っている雲の峰から続いているのであろうか、というのである。雲の峰というのは白雲が山の如く聳えている、夏になって天気の時によく見るところの雲のことである。大沼の句と共に打晴れた感じである。

初蛍其手はくはぬ飛びぶりや    一茶