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はいくはかくかいしかくあじわう

俳句はかく解しかく味う

高浜 虚子

「俳句は斯く解し斯く味ふ」新潮社、1918(大正7)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 73,016 字 · 144 页

青空文庫

すかして、よく見える趣を言ったのである。木立は皆灰色に冬枯れている中に焚火の赤いのが際立って赤く見える心持がする。

曙やあかねの中の冬木立    几董

この句は前の太祇の句と反対に、夜明方の冬木立を言ったもので、朝暾が赤い色をして天地を染めている中に、一叢の冬木立が立っているというのである。なおこの句には強い必要はないけれども「旅行快天」という前置きがある。旅をしていて朝早く宿を立出た時分、晴れ渡った野路の曙の景色を言ったものであろう。次に明治に移ると、

門前のすぐに坂なり冬木立    子規

或家の門を出ると、すぐ其処がもう坂になっていて、その辺に冬木立があるというのである。その冬木立はその家の向い側に在るか、坂の上に在るか、はた他に在るのか、それらは判きりしていないが、要するにそのあたりは冬木立もあるような人家の建てこんでいないところであることさえ判ればよいのである。山がかった辺鄙を言ったものか、また市中の或場所を言ったものか、どちらとも取れぬことはない。またいずれと解しても句の趣の上には変化はないのである。この句の主眼は家を出ると門前がすぐ坂になっているという点に在るのである。