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ひかりあういのち

光り合ういのち

倉田 百三

「いのち」1937(昭和12)年2月号から連載

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,439 字 · 263 页

青空文庫

「痛快だった。しかし君は才気をつつしみ給え」

と注意して下さった。

年少の客気があふれていたのであろう。今から思えば冷汗の流れるようなことの数々がある。だがそれもなつかしい追憶だ。「学問の府として」といったのは校長さんが、「北備の最高学府」であるとよく言うからであった。中学校でもそのつもりであった。

こうした事があってから私はいわゆる運動家の連中と、私のように一種のギリシャ的精神から身心を鍛えようと志している者との間のギャップを感じて来だした。彼等は私党を組んで下級生を撲ったり、クラスの中で幅を効かした。そして試験の時にはカンニングをやった。そしてロマンチックを伴わぬ男色を漁った。そして私が最も不快だったのは、割合いにずるくて、共同の悪事を見付けられた時に自分達は逃げ、しかも先生にとり入る傾向のあることであった。

野球部の連中にそれがひどかった。私はだんだんとそうした運動家と自分とを区別するために、正義と美的精神から運動というものを見ることを力調するようになった。しかし正義は野暮臭く、美は柔弱に見えるのを嫌うために、少しく変態的に「意気地」というような形をもってそれは表われた。