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ひかりあういのち
光り合ういのち
倉田 百三
「いのち」1937(昭和12)年2月号から連載
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,439 字 · 263 页
極く単純な、好奇的なものではあるが、しかしそれがへんな、醜いことだということを感じつつ、それに注意が向くのだ。そして子供たちの中には必ず一人、一人は露骨なことを大声で言う暴露家がいるものだ。そして奇妙なことはこうした暴露家が嫌われず観過されることだ。それを叱るものは人気を博さない。こうした子供の性慾は醜いというよりも可笑しなことと言うべきだ。造化のいたずらとも言うべきものだ。私はある日美しい浮世絵(私たちは江戸絵と言った)の美人の張ってある屏風に向けて熱心に可笑しな真似をしていた。吹き出す声が急にしたのでびっくりすると豊子姉が覗いていた。私は真赤になった。
「子供でもそんなものかなあ」
と姉は笑っていた。また或る夜私は一緒に寝ていた祖母に、眠ってる間に可笑しな真似をしかけた。祖母は目をさまして驚いたが一笑に附した。私は何とも言えず、恥ずかしかったのをハッキリ覚えている。
又或る日私は女の子の遊び友達のおてつという子と、どちらも露わに肌を出して、見比べていた。するとその子の母親が帰って来たので、びっくりして逃げて帰った。
これらはむしろ無邪気の例証になる位のものだ。