轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ぜんたいしゅぎへのぎんみ
全体主義への吟味
宮本 百合子
今日の民衆、知識人への課題
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,705 字 · 14 页
ところで、ここに私たちの注意をひき且つ周密な自省を求めている一つのことがある。それは、文化面をもひきくるめてのこういう誤った全体主義の見かたが、どうして今日大衆の進歩的な部分、知識人の進歩的な部分によって、それが当然受けるべきだけ十分、論点をはっきりさせた反撃をうけずにいるかということである。その心理的な諸原因について、もっと鋭い各自の関心が向けられて、しかるべきではなかろうか。
ヨーロッパ大戦後の中流層の没落は世界的規模において生じた。インテリゲンツィアの勤労者階級化の傾向はこれに応じて必然に生じたのであり、更に一九二九年の恐慌以後今日に至る一般の不況は、益々深刻にこの社会的現象を展開させている。十年前に労働予備軍に加った人々の生活が低下しつつある傍ら、新しい青年層の無産者化が大量に行われつつある。それ故詳しく具体的に見れば、今日の大衆の実質の中には、画期的な多量さで知識人要素が内包されて来ているわけである。大衆の質も量も、この十年間に大いに変化して来ていることは否めない事実なのである。
日本に解放運動の思想が入って来た時分と今日とでは、知識人の社会的足場はずーっと動いて来ている。