轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

こうえんのはなとどくが

公園の花と毒蛾

小川 未明

「朝日新聞」1922(大正11)年6月26日~7月10日

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 18,574 字 · 38 页

青空文庫

二

花は、それをうらやましくも、またのろわしいことにも思いました。

二

珍しく、空の晴れた日でありました。山の頂から高原にかけて、澄みわたった大空の色は、青く、青く、見られたのです。

とこなつの花は、頭を上げて、じっと太陽の光に見入っていました。このとき、青い空をかすめて、どこからともなく、一羽の鳥が飛んできました。最初は、ほんの黒い点のように見えたのです。そして、だんだんその姿がはっきりと見えました。けれど、それは、高く、高くて、鳴いている声すら、とこなつの花のところまでは、かろうじて聞こえてきたほどであります。

「どこへあの鳥は飛んでゆくのであろう? そして、あんなに自由に。」と、花は、真紅の花びらを、風にふるわせながら独り言をいっていました。

すると、その鳥の姿は、ますます、近くなってきたのであります。花は、それを見て不思議に思っていました。どうして、あの旅の鳥は、こんなにさびしい殺風景な野原に下りるのだろう? とにかくあの鳥は、この野原に下りようと思っているのだと考えました。

小鳥は、はたして、花の思ったように、野原に下りました。しかも、すぐ花の咲いている石の上にきて止まったのであります。