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きりすてごめん
切捨御免
――貞操なきジャーナリズム――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,731 字 · 10 页
したがって、この十一人の証人の証言が、いかに他動的に作用されているか、バカバカしいものであるか、明瞭ではありませんか。
だから、このような事件では、首実検は、証拠とはなりにくいもので、一応似ている、ということを確かめる以外に意味は少いものである。
しかるに、ジャーナリズムは、首実検で犯人の断定が得られなかった、というだけで、容疑薄れる、と即断する。このジャーナリズムの断定態度というものには、知的性格がまったく欠如しているのである。軽率であり、感情的であり、合理性を欠いている。
まだしも、警視庁の態度には、必然性があり、合理性があるのである。
先ず、第一に、H画伯が、二月十日から、北海道へ、現れ、自宅へ帰らない、ということ。
この事件の犯人が、行方をくらます方法としては、当然こんな方法が用いられる筈で、二月十日ごろというと、人相書などが廻って、似た人間がヤタラとひッぱられた頃ではないかと思われるが、犯人が逃げだすとすれば、先ず、この頃だということが考えられる。警察が、こういう点へ目をつけるのは当然で、こゝには合理性がある。
第二に、松井氏との名刺交換、及び紛失、及び、名刺について偽証していること。