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りしりざんとそのしょくぶつ
利尻山とその植物
牧野 富太郎
「山岳 一の二」1906(明治39)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,115 字 · 22 页
ものは、ジンヨウスイバ、キクバクワガタ、イワレンゲソウ、リシリトリカブト、ゴヨウイチゴ、イワオトギリ、シシウドなどが重なるものであった、とかくする内に午前十時頃となって、漸く町に下った人足らが登って来て、朝の食事をすることが出来た、人足らは宿に着いて直に踏出したそうであるが、何分にも深夜になって登ることが出来ないので、遂に途中に一泊したとのことであった、加藤子爵も昨夜下山の途に就かれたが、途中ネマガリダケやらミヤコザサやら道に横わっていて、ますます足場が悪くなり、非常に疲労せられたので、鴛泊に帰着されたのは、十二時過る頃であったとのことである、それを考えて見ると、山上に露営した方が、あるいは楽であったかも知れない、十一日の日には木下君は、充分の採集をしたからといって、終に人足と共に下山せられるとの事であるが、余は何分にもまだこの山を捨てて去ることが出来ないので、終に一人踏止まって、なお一夜を明かすことに決心した。
峰に向って進んで行けば、砂礫の地に達するのであるが、この辺には樹は殆んどないといっても宜しい、もっとも夥しく生えている