轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

こくこく

刻々

宮本 百合子

「中央公論」1951(昭和26)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 36,401 字 · 73 页

青空文庫

いい?」

「そうね」

合点をした。娘さんは××高等女学校出身で、ストライキのときは大衆選挙で交渉委員の一人であったのだそうだ。

今日は駄目だろうと思っていると四時頃やっと労働係が来て娘さんを出した。暫くして今度は自分が高等によび出され、正面に黒板のある警官教室みたいなところを通りがかると、沢山並んでいる床几の一つに娘さんがうなだれて浅く腰かけ、わきに大島の折目だった着物を着た小商人風の父親が落着かなげにそっぽを向きながらよそ行きらしく敷島をふかしている。

父と娘とがそれぞれ別の思いにふけっていた様子が留置場へ戻ってからもありありと見え、自分は警察と家族制度というものに就て深く憎悪をもって感じた。

留置場ではそろそろ寝仕度にかかろうという時刻、特高が呼出したと思ったら、中川が来ている。当直だけのこっているガランとした高等係室の奥の入口のところに膝を組んでかけ、煙草をふかしていたが、自分が緒のゆるいアンペラ草履をはいて入って行くなり、

「――どウしたね」

尖った鬼歯を現してにやにやしながら顔を見た。つづけて、

「いよいよ二三年だよ」

自分はまだ椅子にもかけていない。