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どうりょくかくめいとにほんのかがくしゃ

動力革命と日本の科学者

中谷 宇吉郎

「文藝春秋」文藝春秋新社、1955(昭和30)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,399 字 · 27 页

青空文庫

七 科学の本質

といって、五、六枚の写真をもって来た。一枚は建物の外観で、これは問題がない。他は内部の施設であるが、それが私たちのような素人にも、普通の火力発電施設の一部のように見えた。しかしそれでよいのであって、発電施設そのものは、火力も、原子力も、差がある必要はないのである。

今度の新提案に、そこまでの含みがあるかどうかは知らない。あればまことに敬服すべき達見である。もし無かったら、将来の国民から、たいへん運がよかったと、少なくも感謝される可能性はある。どちらかといえば、提案者が、「原子力の鬼になる」と言っておられるところを見ると、含みがありそうに思われる。

七 科学の本質

原子力発電の問題が、新聞紙上を賑わすようになってから、よくいろいろな質問を受ける。一番多いのは、ダムなどは、そのうち要らなくなりましょうか、という質問である。これもジャーナリズムの魔力であって、新聞に大きく出る問題だけが、当面の大問題であり、かつ強力なものという印象を受け易い。しかし原子力発電は、今のところは、まだ経済的には引き合わないので、これが現在の火力にとってかわるのはまだまだ先のことである。